飲食店の注文といえば、紙のメニューを見ながら店員に口頭で伝えるか、タブレットで注文するのが一般的だが、最近は客自身が自身のスマホでQRコードを読み取り注文するセルフオーダー方式に遭遇する機会も増えている。2022年1月に発表されたリクルートの調査によると、自分のスマホを使ったセルフオーダーの利用経験がある人は26.0%。若年層では20代女性(47.1%)、20代男性(41.7%)で4割を超えている。この新しいオーダーシステムについて、まだ戸惑いを隠せない客も少なくないようだ。
紙のメニュー+口頭での注文じゃダメなの?
メーカー勤務の20代男性・Aさんは、セルフオーダーを利用する中で不便や疑問を感じるようになったことを明かす。
「お店に入ったら、すぐにビールを飲みたいのに、スマホを出してからQRコードを読み込み、ビールを探すなど、注文までのステップが面倒に感じてしまいます。あと、酔っ払ってくると、注文がだんだん面倒に……(笑)。店員さんがつかまらないほど店が繁盛しているならまだしも、店員さんが暇そうなのに、口頭で注文できないことに歯がゆさを感じることもありました」(Aさん)
注文に自身のスマホを使用することから、「バッテリー切れ」という問題も避けては通れないようだ。
「客のスマホを使わせるなら、せめて店側には電源とコード、Wi-Fi環境を整備してほしいと思うのはわがままでしょうか……。以前、バッテリーの残量が危なくて、同席した上司のスマホを借りる羽目になり、申し訳ない思いをしました。紙のメニュー+口頭での注文でもいい、というふうにしてくれると助かるんですけどね」(Aさん)
店員さんに声掛けなくていいのはありがたいけど…
IT企業に勤務する30代女性・Bさんは、セルフオーダーにメリットを感じる部分もあるが、「座席に設置された専用端末で注文するテーブルトップオーダーがベスト」と感じている。
「そもそも忙しそうに働いている店員さんに『すみません』と呼びかけるのが苦手なんです。また逆に、呼ばなくても店員さんのほうから来てくれることもあって、その場合はオーダーを早く決めなきゃいけないと焦ってしまう。スマホからのオーダーであれば、そういったことをすべて気にしなくていいので、精神的に楽ですね。
ただ私の場合、月末になるとスマホの通信容量が危ないことも多いし、古いスマホを使っているのでバッテリーの持ちも悪い。回転すしチェーン店みたいに、テーブル備え付けのタブレットで注文する方式ならありがたいんですけど、それは設備投資が必要ということなのでしょうか……」(Bさん)