中国人のギャンブル熱は高い。特に春節休暇(1月21~29日)の間は、さまざまなところでギャンブルに熱中する中国人を見かけることになる。
実際、中国のカジノ関連株は急騰している。現在、マカオのカジノ事業の営業免許を持つ企業は6社あるが、そのすべてが香港市場に上場している。株価について昨年10月31日に記録した場中安値と今年1月20日の終値を比べると、最も上昇率の低い銀河娯楽(00027)で64%、最も高いMGMチャイナ(02282)で257%上昇しており、6社平均では166%の上昇率だ。
急騰の主な要因は、ゼロコロナ政策の廃止により中国人観光客が流入するだろうといった期待の高まりである。
中国人の中には、賭け事を好む人が多い。カジノ事業者が顧客に負けるようなオペレーションをすることはない。顧客が資金を持って店に来てくれさえすれば利益は拡大する。すべてのマカオカジノ企業にとって中国人顧客は最重要顧客であり、企業業績は彼らの動静にかかっている。
既に上昇しているカジノ株だが、実際に顧客が戻り始め、業績の改善が明らかになってくれば、もう一段の上昇も期待できよう。
それにしても、なぜ中国人は“期待値がマイナスとなるゲーム”に熱中するのだろうか。主要顧客となる中国人富裕層は成功した企業家が多く、そうした人物はカジノが平均的には損をするゲームだということを知らないわけではない。10人顧客がいれば9人は負けるといったゲームだが、自分は勝ち残る1人であると信じてゲームに参加するようだ。
あくまで一般論としてだが、中国人はお金を稼ぐことに非常にポジティブであり、自信家でもある。リスクよりもリターンを強く意識する傾向が強い。全ての中国人がそうだというのではなく、そうしたリスクラバーが他国と比べ多いということなのだが、そうした傾向の負の側面を地方政府は問題視している。