投資初心者にとって「いつ投資を始めるか」は大きな悩みどころだろう。だからこそ、国が用意した得する制度を最大限活用したいところだ。
1月18日、日本銀行は、これまで続けてきた金融緩和政策を「修正しない」と発表した。世界の主要な中央銀行が軒並み金利を上げる引き締め策を進める中、わが国もようやく政策を修正するかに思われたが、結局何もせず“据え置き”になったということだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが解説する。
「これは“日本の景気はまだよくなっていない”ということです。緩和から引き締めに方向転換することはまだできなかったということでしょう。私たち生活者にとって重要なのは、短期的な変動を気にすることよりも、資産の価値がどう動いているか、理解することかもしれません」
そこで投資初心者の受け皿になるのが「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」だ。現在のつみたてNISAは、年間40万円までの投資が最長20年間非課税で運用できる。投資先は金融庁が厳選した手数料の低い投資信託やETF(上場投資信託)に絞られていて、比較的リスクは低い。
年間120万円までで最長5年間運用できる「一般NISA」もある。運用益が非課税になるのはつみたてNISAと同じだが、その期間が短く、投資先は株式や投資信託と幅広い。
そして2024年から開始するのが、政府肝いりの「新NISA」だ。現行のつみたてNISAと一般NISAを2階建てにしたようなしくみで、合計の上限は1人1800万円まで。投資先は1階部分の「つみたて投資枠」がつみたてNISA、2階部分の「成長投資枠」が一般NISAの“進化系”だ。
大きく異なるのは、非課税で運用できる期間が無期限になること。さらに、現行のNISAとは異なり、新NISAでは売却した分の非課税枠が復活し、換金した分が使い回せる。1800万円までの上限はあるが、運用できる金額は大きく増えた。