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「夫の退職金含めた8000万円が一瞬で…」リタイア後の投資デビューの大誤算

リタイア後の投資はなぜ危険なのか?(イメージ)

リタイア後の投資はなぜ危険なのか?(イメージ)

 人生100年時代、老後資金をどう確保し、増やすかは、多くの人にとって頭を悩ませるところだろう。その一方で、リタイア後に老後資金を確保するために始めた投資で、大失敗する人も少なくない。そのリアルケースを見てみよう。

 東京都在住の吉田由美子さん(68才・仮名)はいま、不安の真っただ中にいる。

「コロナ禍でもアメリカのアップルやグーグルの株価が絶好調だと聞いたので、昨年、老後資金を増やすつもりで、貯蓄から200万円ほど使って、米国株を買いました。最初のうちはよかったのですが、ウクライナショックのせいか株価がどんどん下がり、元手の200万円を割り込んでしまって……」

 昨年末、投資経験がないままいきなり個別の外国株に手を出し、とたんに株価が下がって大失敗したというのだ。

 ファイナンシャルプランナーの横川由理さんは「一気にお金を増やそうとして株を始めても、必ず失敗する」と指摘する。

「特に初心者は、株価が上がっているときに“みんなやっているから”“株で大儲けしたと聞いたから”と人のまねをして始めて、下がったら慌てて売ってしまい、結局損をする。一度値下がりしても、じっくり待っていれば回復したか、少なくとも大損はしなかったかもしれないのに、高値で買って安値で売っては、儲かるわけがありません。投資したいなら、ネットなどの情報をうのみにせず、ある程度の勉強が必須です」

 老後資金を増やしたいなら、まずは比較的低リスクな「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」などから始めるべきだろう。手数料が安く、長期投資に適した投資信託を金融庁が厳選しており、個別株とは違い、積立額は月1000円からでもいい。

「ただし、つみたてNISAはほったらかしでいいので、あまり個別株の勉強にはなりません。将来的に投資するつもりがあるなら、なるべく早く、痛手にならない程度の金額で個別株の練習をしておくのがいいでしょう」(横川さん・以下同)

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