トランプ氏の大統領選勝利後、日経平均は一時1000円近くも値を下げ、市場は大混乱に陥った。しかし、意外にもトランプ氏が冷静な対応や発言を続けたことで、その後は「円安・株高」が進んだ。就任から「100日間」での米経済再生を宣言したが、この「トランプノミクス」は本物なのか。
経済のプロたちが「好影響」と見る根拠は何か。「経済政策のカギはトランプ版・3本の矢」だと指摘するのは、カブ知恵代表の藤井英敏氏だ。
「トランプの経済政策は大規模減税、インフラ設備投資、金融規制の緩和の3つが軸です。減税は真逆ですが、財政出動と規制緩和を重視する点はアベノミクスに近い。いわば“トランプノミクス”です。これらの政策を実施すれば為替市場はドル高となり、円安傾向が強まる。日本の輸出企業にはプラスになり、“トランプバブル”が期待できます」
トランプ版・3本の矢を検証してみよう。
◆法人税、所得税、相続税の大規模な「減税政策」
政権構想でトランプ氏は、法人税を35%から15%、所得税の最高税率を39.6%から33%に引き下げ、相続税を廃止する方針を示した。信州大学経法学部の真壁昭夫教授が解説する。