自営業者や個人事業主がやるものと思われがちな「確定申告」。しかし、サラリーマンや年金生活者でも、確定申告をすることで払い過ぎていた税金を取り戻すことができる。
もっとも、「確定申告は難しそう」と思う人は少なくないだろう。
「難しくはありません。特に会社勤めの人や年金を受給している人の場合、複雑なことをしなくても払い過ぎた税金を取り戻せる可能性があります」
そう言うのは、西原会計事務所代表で税理士の西原憲一氏。
「確定申告は1年間の所得から各種所得控除を差し引いた課税所得に対し、正確な納税額を計算して税務署に申告する手続きのこと。会社勤めの人はあらかじめ所得税が天引き(源泉徴収)されており、『年末調整』をすることで還付を受けられるケースが多い。ただし、確定申告をすることでしか受けられない所得控除があり、それを定められた期限内に申告することで、税金がさらに還付されることもあるのです」
サラリーマンでも年金を受給している人でも、所得から所得控除を引いた課税所得に対して課されるのが「所得税」となる。確定申告で正確な所得税を算出した結果、納め過ぎているのならその分が還付される。
「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」の3項目は確定申告を行なわないと所得控除の対象にならない代表的なものだ。
「特に医療費控除は会社員や年金を受給している人でも該当するケースが少なくないので、流れややり方を理解しておきましょう」と西原氏は言う。