主な流れは図にまとめたが、会社勤めをしている人が確定申告で医療費控除を受けるケースを想定して手続きの進め方を解説しよう。
源泉徴収票を書き写すだけ
確定申告の期間は例年2月16日~3月15日となり、期限内に確定申告書を作成して自分の住所を管轄する税務署に提出する(還付申告は1月から受け付け、5年間可能)。約1か月~1か月半後に還付金があれば指定の口座に振り込まれる。
申告に際しては確定申告書、医療費控除の明細書、給与の源泉徴収票、還付金の受取口座、マイナンバーカードなどが必要となる。税理士の新名範久氏の解説。
「まずは必要な書類を揃えます。1月中旬くらいから税務署に確定申告書や医療費控除の明細書が置かれるので、直接もらいに行くか郵送などで入手します。国税庁のホームページからも入手可能ですが、直接赴けば確定申告に関する相談を受けつけてもらえます。不安があるなら疑問点を聞いてみるのもいいでしょう」
確定申告書はこれまでは会社員が医療費控除を申告する場合などに使うための簡易的な確定申告書Aと、個人事業主などが申告に使う確定申告書Bの2種類に分かれていた。今年からはAが廃止され、Bに統一されているので“昨年のものと同じだろう”と思っている人は注意が必要となる。
申告書は4枚綴りになっているが、医療費控除の申請なら基本的には確定申告書の「第一表」「第二表」の作成だけでよい。そのうえで、かかった医療費の詳細を記入した医療費控除の明細書か、1月中旬頃に加入する健保組合などから届く「医療費のお知らせ」を添付して提出する。
「医療費控除は医療費のほかに、通院時にかかった電車代なども認められることがあるので整理しておきましょう。
前年の10月頃に届く『生命保険料控除証明書』や『住宅借入金等残高証明書』、確定申告が近づくと自宅に届く年金や健康保険料の『社会保険料控除証明書』も必須。会社勤めなら年末調整後に配られる『源泉徴収票』があると、作成がグンとラクになります」(新名氏)