確定申告書の作成手順は、第二表に給与収入の内訳と源泉徴収税額、支払った社会保険料や生命保険料(複数ある場合はすべて)の合計額といった「一年間の収支の内訳」を記入する。それを元に第一表に収入と控除額を記入し、最終的な所得税額を算出して記入する。
「まずは第二表をまとめ、次いで第一表を作成していきます。それに際しては、源泉徴収票に書かれている額を書き写すだけです」(前出・西原氏)
確定申告書(第一表)は、大きく【A】「収入金額等」【B】「所得金額等」【C】「所得から差し引かれる金額」【D】「税金の計算」【E】「その他」の5つに分かれている(図参照)。【A】から順番に書き進み、【D】で所得税額を計算する。
その際、源泉徴収票の「支払金額」を【A】に、「給与所得控除後の金額」を【B】に、「所得控除額」を【C】の各項目にといった具合に書き写していく。さらに、【C】のなかの「医療費控除」欄に10万円を超えた分(総所得200万円未満は総所得の5%まで)の医療費を記入し、控除額を更新。それを元に税額を計算し、すでに払った源泉徴収税額を下回るならその差額が還付される。
「所得控除が増えればそれだけ所得税が圧縮されて、差額を取り戻すことができます。医療費は高額療養費制度などで、実質的な負担はそれほどかからないケースもある。しかし、家族や生計を一にしている親族にかかった医療費や、人間ドックや健康診断で病気が見つかって治療を受けることになった場合の検査費用、デイサービスなど介護サービス利用料の一部が医療費として認められることもあります。不安なら専門家に聞くなどして、取りこぼさないようにする方法もあります」(西原氏)
※週刊ポスト2023年2月10・17日号