IT企業に勤務する30代男性・Bさんは、英語の勉強の一環として外国人Vtuberの配信や動画を見ることが多い。その内容にも「日本がすごい」が含まれているという。
「もともと日本のアニメやゲームを好きで、日本文化に興味をもつ人たちが多いのも理由だと思います。外国人Vtuberの『日本の食べ物はおいしすぎる』というような発言からは、日本に住んでいることのありがたみを再発見させられました。寿司、天ぷら、和牛、カップラーメン、駅弁……など、高級なものから庶民的なものまで、日本にはおいしいものがたくさんあるんですよね。食文化だけでなく、道路やトイレなどが清潔に保たれていることが“当たり前”だと思える幸せに気づきました」(Bさん)
「良いところ以外にも目を向けていきたい」
メーカーに勤務する50代男性・Cさんは、「日本すごい」動画について「ネガティブなニュースが多い中で、“肯定感”を高めてくれるもの」だと言う。
「最近は値上げラッシュだし、だからといって給与も上がらない。そのうえ増税や年金問題もあって、不安が煽られるニュースばかりです。日本がもう勢いがある国ではないことはわかっています。でも動画を見ていると、そういう不安や焦りみたいなものを一瞬でも忘れられる気がします。日本ってやっぱり良い国だな、と肯定感を高められます」(Cさん)
とはいえ、Cさんは「良いところばかり見てはいけない」とも思っている。
「日本の良い部分だけでなく、おかしい部分も、外国人の視点から気づきの場にできたらとも思います。日本の“当たり前”が素晴らしいと称賛されることがある一方で、残念なこともあるわけじゃないですか。いろんな動画を見て、そういった部分にも目を向けていきたいなと思います」(Cさん)
社会全体で将来への不安が大きい中、YouTubeの「日本すごい」動画に“癒やし”を求めているユーザーは意外と多いのかもしれない。(了)