「昼食代500円」をめぐる攻防
夫と高校生の子供1人を持つ神奈川県在住の専業主婦・カナコさん(仮名、46歳)は、節約のために始めたお弁当作りが、物価高騰により家計を圧迫し始めたことを嘆いていた。
「戸建て購入をきっかけに4年前からお弁当作りを始めましたが、お弁当用の冷凍食品の値段がじわじわ高くなっている気がしています。お弁当を作る手間も考えると、節約になってるのかな……と思ってしまうことも少なくありません」(カナコさん)
お弁当作りを始める前は、夫に昼食代として毎日500円を渡していたそうだ。そのため、手作り弁当にはできるだけお金をかけないように前日の残り物などを入れるなどしているものの、足りないときは冷凍食品で埋めることも多いという。お弁当の定番である卵焼きも、いつものスーパーで卵1パック200円を超えたあたりから入れなくなったそうだ。
「昼食を楽しみにしている夫には申し訳ないのですが、ごはんの比率を増やしました。夫の弁当のおかずを減らした分、高校生の子供のお弁当に入れています。そのことに気づいた夫から『悲しくなるからやめてほしい』と言われてしまったんです」(同前)
話し合いの結果、夫の分のお弁当作りは廃止。その代わり、以前のように昼食代を渡すこととなった。この件をきっかけに、カナコさんは夫と衝突してしまう。
「『ここ最近、社食も値上がりして1食500円じゃ食べられなくてさ……』と昼食代の値上げ要求をされ、『1日800円欲しい』と言われました。それならお弁当を持って行ってほしいと言いましたが、『4年間も弁当で我慢してきたんだから、もういいだろ』と……。一生懸命考えて作っていたお弁当を“我慢して食べていた”なんて言われたらショックで立ち直れませんでした」(同前)