テレビ解説者の木村隆志さんは、いつの時代も上京や東京生活をテーマにした物語は“ドラマの華”だったと話す。
「1983年の朝ドラ『おしん』にも髪結いになるために上京するシーンが描かれるし、トレンディードラマの代名詞『東京ラブストーリー』も主人公のカンチは愛媛から上京してきて都会人のリカと恋に落ちる。『やまとなでしこ』の桜子も富山県出身のCAという設定です。
もちろん、『北の国から』のように地方を舞台にしたドラマはロケが大変になるなどの理由もあると思いますが、それ以上にキャラクターに地方出身の設定をつけると、東京に出て恋に目覚めて変わっていくとか、仕事で苦労して成長していく様子を見せることができ、視聴者を惹きつけられる。見る方も、時代ごとに変わりゆく東京で奮闘する主人公を応援したいという気持ちがあるのだと思います」
上京の物語は時代を越えて、描かれ続けていく──。
※女性セブン2023年2月16日号