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ビジネス

なぜ地方テレビ局が経営者向けセミナーを手掛けるのか? チバテレ名物Pが語る「逆転の発想」

千葉テレビ放送・プロデューサーの大林健太郎氏(提供)

千葉テレビ放送・プロデューサーの大林健太郎氏(提供)

 テレビ離れが進んでいるといわれ、放送各局は放送事業による収入獲得に苦戦し、放送外収益を狙った新規ビジネスに力を入れている。そんななか、千葉テレビ放送(チバテレ)の中小企業経営者向けビジネスセミナー『稼ぐ力養成講座』(以下、『稼ぐ力』)が成功事例として注目されている。成功の秘訣はどこにあるのか。探ってみると、ローカル局の“利点”をいかしたビジネスモデルが見えてきた。

千葉テレビ放送開局50周年の新事業

『稼ぐ力』は2021年6月に、千葉テレビ放送開局50周年の新事業としてスタートした。全国の中小企業経営者に向け、月2回のオンラインセミナーと、年2回、東京・日比谷の日本記者クラブでリアルの交流会を実施。オンラインセミナーについては、会員は毎回2人のマーケターを講師に、年間24回、合計48講座を受けられる。会員数は順調に伸び、現在、約160社が参加している。

 事業を率いるのは、同局プロデューサーの大林健太郎氏(45)。26歳のとき、初めて制作を手がけたバラエティ番組が好評を得て、一躍売れっ子に。一時はレギュラー12本を担当したほどの名物プロデューサーだ。

「『稼ぐ力』の企画は、僕の本業がプロデューサーで、2009年から中小企業を紹介する企業向け紹介番組を作っていた、ということに端を発しています。

 たとえば、人気お笑いコンビ・ナイツをMCに起用した『ナイツのHIT商品会議室』は560回ほど放送していますが、そうした番組作りを通じて得た情報や、マーケティングの見地に基づいた企業の強みを引き出して番組を演出するノウハウ、築いた人脈をもとに、どうすれば我々の“お客様”の役に立てるか、売り上げ向上のためのお手伝いができるか、と考えたのがスタートになっています」(大林氏・以下同)

 大林氏がここでいう「お客様」とは番組制作に協力してきた中小企業経営者のこと。「良い番組を作れば視聴率が上がり、テレビCMや番組で取り上げた商品が売れるだろう」という本来の番組作りとは違う、むしろ逆ともいえる発想によって立っている。

「ローカル局は見ておもしろい番組を作れば視聴率がとれる、というわけではありません。だからこそ、逆転の発想にならざるを得なかったのかもしれません。しかし、その逆転の発想で番組を作ったことで、実際には視聴者の好評も得ることができましたし、企業様もテレビを活用してくださるようになったのだと思います」

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