集中力が低下したのを実感
20代男性・Bさん(IT企業勤務)はこれまでフルリモート勤務が続いていたが、今年に入ってから出社日が設けられた。約1年ぶりに職場で仕事をしたところ、自身のパフォーマンスに変化を感じたという。
「もう通勤だけでヘトヘトで、体力の低下を感じました。あと、集中力の低下も感じますね。思えばテレワークの時は、それまで出社していた時よりも明らかに集中力が散漫な状態で仕事をしていました。例えばテレビをつけっぱなしにして仕事をしていたり、途中でちょっと漫画を読んだり……。仕事中に目に入った部屋の汚さが気になって、いきなり掃除を始める、ということもありましたね。
出社したら、仕事しかすることがないわけですけど、明らかに以前より集中力が続かなくなったのを感じました。ちょっと仕事をしただけで、すぐに立ってドリンクを買いに行ったりしてしまいます」(Bさん)
家事や育児で助かっていたのに…
テレワークが「原則廃止されることになった」という30代女性・Cさん(メーカー勤務)は、これから先の働き方に戦々恐々としている。
「テレワークだと、家事や育児面でかなり助かっていました。それまでは、子供が熱を出したら早退しなくてはいけないなど、周囲に少し気兼ねすることがありましたが、テレワークだとそういったことがなくて、私はすごく働きやすかったんです。ただ一方で、日中家事や育児に時間を割かれると、夜遅くに仕事をすることになり、結局働いている時間が長くなっているな、という実感もありました。良し悪しですね。
別に出社するかしないは、どちらかに決めるんじゃなくて、臨機応変でいいんじゃないかと思うんですけどね……。時々、テレワークが恋しくなります」(Cさん)
テレワークを経験したことで、かつて“当たり前”だったことが“当たり前”に感じられなくなった、という声は少なくない様子。テレワークの快適さを知ったがゆえに、コロナが収束したらそのまま完全に昔の働き方に戻ってしまうのではないか、と不安な気持ちを抱く人たちもいるようだ。(了)