結果的にお得に旅行できたが…
宿泊料金は混雑具合で上がったり下がったりすることが多いため、同じプランでも予約日が違えば料金が変わることもあり得る。このケースが「便乗値上げ」と言えるかどうかは不明だが、利用者であるサナエさんからすれば、その印象が強かったようだ。
結局、全国旅行支援利用による今回の割引額は宿泊費の20%となる8600円で、1泊3万4400円に。そこに加えて地域クーポンが5名分、5000円相当(=1人1000円。休日のため)もらえたため、結果としてサナエさん一家は、お得に旅行へ行くことができたものの、いまいち納得できていない様子だった。
「結果的に多少はお得になりましたが、宿泊費自体はほとんど変わっていないし、便乗値上げは気分のいいものではありません。しかも今回予約したのは大手ホテル。口コミも良かっただけに残念な気持ちです。一度キャンセルして予約し直すというのも、手間がかかりましたし」
このモヤモヤを夫と義母に話したところ、「結果安くなったならいいんじゃない?」「考えすぎよ」などと言われ、共感してもらえなかったそうだ。今回は子供の誕生日というイベントを盛り上げるために全国旅行支援を利用してホテルに宿泊したものの、「今後、便乗値上げが続くようなら旅行を控えるかもしれない」と話していた。
需要が高くなれば宿泊費も高くなり、コスト上昇などの理由もあるため、全ての値上げが該当するわけではない。サナエさんが感じたような理不尽をなくすためには、条件を満たす誰もが「全国旅行支援」を利用でき、気持ちよく旅行が楽しめるよう、業者側には予約後の制度適用による割引も含め、柔軟な対応が求められるのではないか。(了)