10月にスタートした『べっぴんさん』も初回平均視聴率は21.6%と好スタートを切っている。この3作品に共通するのは起業家がヒロインであることだ。こうしたドラマが支持を得る背景には、ビジネス上のチャレンジを応援する風潮があり、それが中小企業の設備投資の底堅さにつながると考えられる。
日ハムvs広島の日本シリーズの意味
国民のマインドを盛り上げるスポーツ関連にも明るいニュースが多い。リオ五輪女子レスリングで4連覇を果たした伊調馨選手が国民栄誉賞を受賞したが、スポーツ選手が同賞を受賞した過去9回のうち、7回は景気拡張局面だ。
プロ野球では日本ハムが広島を下し日本シリーズを制したが、この対戦カードは景気拡張を示す組み合わせだ。
人気球団が日本シリーズで対戦すると景気が良くなる傾向があるのだが、読売新聞の世論調査によると、今や広島はセ・リーグ3位、日ハムはパ・リーグ2位の人気球団だ。
日本シリーズに登場してきた2チームの人気順位を合計した数値が5以内の年は86年以降17回あったが、そのうち16回は景気拡張局面だった。
また、この両チームのリーグ優勝は、それぞれに重要な意味がある。パ・リーグの日本ハムは11.5ゲーム差からの逆転優勝を決めたが、10ゲーム差以上をひっくり返すドラマチックな逆転劇は63年の西鉄以来、過去に4回の記録がある。リーマン・ショックが起きた08年の巨人を除けば、すべて景気は拡張局面だった。
一方、セ・リーグを制した広島は「デフレ脱却のシンボル」的存在だ。過去に広島がリーグ優勝した6回の暦年の名目GDP成長率の平均値は7.4%で、Aクラス入りした年の平均値でも5.8%と高い成長を示している(全期間平均は3.3%)。
97年のAクラス入りを最後に成績が低迷すると、日本経済も長いデフレ局面に突入している。