スマートフォンやタブレット端末が広く普及した結果、電子書籍のユーザーも増えている昨今。ネット通販の浸透もあいまって書店の数は減少傾向にあり、紙の書籍を手にする機会が減っているという人も多いだろう。しかし、そんな状況にあってなお、紙の書籍を愛読し続ける人も少なくない。では「雑誌」の場合はどうだろうか。紙の雑誌にこだわる人、あるいは電子版で読む人に、それぞれが感じるメリットとその魅力について聞いてみた。
フリーライターの大塚ナギサ氏は、今でも紙の雑誌を月に何冊も購入し、情報収集をしているという。
「そもそも私が出版業界で仕事をしているということは大きいかもしれませんが、やはり紙の雑誌にしかない魅力があります。まず、何と言っても“読みやすい”。ペラペラとめくって、雑誌全体にどんな情報が載っているかを確認しながら、興味があるところから読み進められるのは便利です。電子書籍で雑誌を読む時は、スクロールがもたついてしまうこともあるし、画面で目が疲れることもある。そういったストレスをあまり感じないのが、紙の雑誌の大きなメリットだと思います」(大塚氏)
また、多くの雑誌が電子版を発行している中、紙でしか読めない雑誌も少なくない。
「エンタメ系の雑誌は、いまでも“紙のみ”というものが意外と多いんです。私は音楽の専門誌やアイドルの専門誌などをよく買っていますが、グラビア系を含めて紙でしか読めないものが多い。こういった雑誌は、所有する楽しみもありますし、現物があればいつまででも読むことができる。
“読んだ雑誌は捨てる”というタイプの人であれば別ですが、私の場合、購入した雑誌は基本的に保存しているので、資料として読みたい時などに、いつでも手に取ることができる。電子書籍が普及する前の雑誌もありますし、古本でそういった雑誌を購入することもあります。これは、紙の雑誌ならではのことだと思います」(大塚氏)