Bさんによれば、同僚には現金で渡すことになるので、いつも「割り勘よりは若干多め」に払ってしまうのだと明かす。
「同僚は、計算機を使って『980円』『850円』『2980円』とか、きっちり請求してきます。でも私は普段、基本的にキャッシュレス払いをするので、細かい小銭がない場合が多い。お金を崩すのも面倒なので『1000円払うわ、釣りはいらない』みたいに、多く負担する羽目になることがほとんど。一度『PayPayで送金したい』と言ったのですが、『クレジットカードしか使っていないから』と断られてしまいました。この“ちょい損”とともに、僕のモヤモヤも積もっています」(Bさん)
そんなBさんは、同僚から「お釣り、細かいのがないから今度ね」と言われたこともあったそうだが、“今度”はそれから半年以上経っても、いまだに来ていない。
割り勘しているのに領収書をこっそり受け取ろうとする
会計後の領収書の扱いも、難しい問題のようだ。フリーランスデザイナーの30代女性・Cさんが、「セコいなあ」と感じたエピソードを振り返る。
「フリーランスにありがちなのかもしれませんが、割り勘にしているのに、総額の領収書をもらおうとする人がいるんです。自分だけ“経費扱い”を目論んでいるということです。当時、一緒に仕事をしていた同業者の女性と2人で食事に行った時、私がトイレで席を外しているタイミングを見計らって、先に会計を済ませ、こっそり領収書をもらおうとしている場面に遭遇したことがあります。
奢ってくれるのなら別にそれでいいんですが、『払っといたよ。3000円でいいよ』みたいに請求されたので、思わず『今領収書もらってましたよね?』と確認してしまいました。だって、割り勘なら割り勘で私の分3000円の領収書がほしいなと思ったからです。結局、その人はお店から領収書は受け取らず、割り勘分を私がその人に払って、お店を出ました」(Cさん)
まとめて支払うことで、自分が“得”をしようとする――どこにでもある会計現場に見えても、さまざまな欲望が渦巻いているようだ。(了)