キャッシュレス決済が普及し、クレジットカードの使用者も増加傾向にある昨今。一方で、複数のカードを所有し、持て余しているというケースもあるようだ。使わないのに年会費だけ払っている状態なのは、もったいない。さらには、多数のカードを持っているがゆえに、不正利用に気づきにくいという弊害もある。
そういったリスクを避けるためには、所持するクレカの枚数を減らすことが不可欠だ。「ただ、全部手放すのもリスクになる」とカード評論家の岩田昭男さんは言う。
「知り合いの70代女性の話ですが、彼女はコロナ禍になりネットショッピングでクレカを使いすぎるのを心配して、一気にすべてのクレカを解約してしまったのです。ところが、ネットショッピングの支払いはクレカか現金払いというところが多いため、代引きを選ぶしかない状態に。品物を受け取る際に現金で支払わなければいけないため、出かけたくても出かけられないと嘆いていました。
それで、新しく作ろうとしたのですが、今度は年齢的な問題で審査に通らず……。仕方なくクレジット機能付きのデビットカードを作って利用しているようですが、クレカほどポイントもつかず、特典もほとんどなし。『これなら1枚だけでもクレカを残しておけばよかった』と話していました。
ただ、ないよりはましですが、1枚だけの所持はショッピング上限額に達したときや、何かのトラブルで使えなくなったときに不便です。最低でも2枚、できれば予備として3枚は残しておきましょう」(岩田さん)
一度も使っていないカードをリストラ対象に
ミニマリストのあやじまさんも、「クレカの理想的な所持枚数は2~3枚」とすすめる。
「私は2枚に絞って使っています。そのメリットは“お金の出口の明確化”です。複数枚のクレカを使っていると引き落とし日も複数になり、管理しにくいのですが、2枚にするとお金の流れが集約されて、何に使ったか明確に把握できます。できれば予備にもう1枚あると、何かのときに安心です。ポイントも貯まりやすくなり、結果的に節約にもつながります。ぜひ、クレカを見直してみてください」(あやじまさん・以下同)