家計

「返済額3分の1」のケースも…利用者急増リバースモーゲージ 従来の住宅ローンとは異なるリスクに注意

「毎月の返済額が3分の1に」

 金融機関により異なるが、シニア向けローンのリバモに申し込める年齢は50~80歳が一般的。資金の使途に多いのは自宅のリフォーム費用や生活資金の調達などで、なかでも「住宅ローンの借り換え」が増えているという。使途が住宅関連費用に限られる前述の「リ・バース60」の場合、2022年7~9月期の実績を見ると全体の2割強が「借り換え」だった。

 リバモを利用して住宅ローンを借り換えたことで、月々の返済額が「3分の1」に圧縮できたという都内在住のA氏(65歳)が語る。

「約20年前、4000万円の住宅ローンを金利3%、35年元利均等ボーナス返済なしの条件で組みました。ローン返済は月15万円強でしたが、定年退職して年金暮らしになることを考えると、毎月の負担があまりに重く感じられた。そこで、ローン残高の約2000万円を金利3%でリバモに借り換えたところ、月々の返済を5万円に減らすことができました。負担が軽減されたことで暮らしにも余裕が生じ、老後の生活を前向きに考えられるようになりました」

 A氏の借り換え前の住宅ローン残存期間は15年。月々の支払いが10万円減れば、通算で1800万円の出費をひとまず抑えられる計算になる。当面の生活費を増やす目的ならば、有用な使い方と言えるだろう。

 ただし、リバモの利用には、従来の住宅ローンとは異なるリスクや注意点もある。山下氏が言う。

「リバモは毎月の返済が利息のみで負担が少ない一方、元金を繰り上げ返済しない限り、長生きするほど利息の支払い回数が増え、総支払額が膨大になる可能性があります。自宅の担保評価額は定期的に見直されるため、途中で評価額が下がり借入限度額が下がった場合、超過分の一括返済を求められる可能性もゼロではない。さらにリバモは変動金利型が中心のため、金利が上がった時点で当初より返済額が増えてしまうリスクもあります」

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