長く働くのが当たり前の時代とはいえ、55歳頃に役職定年したあとは年収が下がるのが一般的だ。そのまま70歳以降まで再雇用で働いたとしても収入は心許ない。
「資格を取得すればコンスタントに稼ぎ続けることも可能です」
そう語るのは、定年後の働き方に詳しい資格カウンセラーで著述家の臼井由妃氏。
「早めに準備を始めれば、副業などで月5万円の収入アップも難しくありません。60歳から70歳まで月5万円稼げれば600万円、75歳までなら900万円の老後資産増が見込めます。そのためにはまず『自分への投資』をして“稼ぐ力”を身につけるのが望ましい。その近道が資格の取得なのです」(以下、「 」内は臼井氏)
どういう資格が狙い目なのか。
3か月の勉強で取れる
臼井氏は「3か月頑張れば取れる資格を目指すのがいいでしょう」とアドバイスする。
「取得の勉強に3か月以上要する資格は難易度が一気に上がる一方、それ以下の資格はあまり役に立ちません。資格学校の集中講座や独学で3か月集中すれば取れる資格ならハードルがそれほど高くなく、それでいて大きな武器になります」
そのうえで、これまでのキャリアを生かせる資格を選ぶと効率よく取得できて稼ぎにつながりやすい。営業畑を歩んできた人にお勧めなのが「宅建士(宅地建物取引士)」の資格だ。
「営業職で外回りの経験があり、お客さんとの会話が得意な人に向いています。宅建業務では従事者が5人いれば1人は宅建士の資格保有者が必要なので取得すると転職などに有利。また、“若い人よりも落ち着いたシニアに案内してもらうほうが安心する”という客も少なからずいて、不動産業はシニアの売り手市場でもあります。週3日のアルバイトで月5万円稼ぐことも十分可能です」