40代男性「このまま逃げ切りたいという気持ちも」
一部上場メーカーに勤める40代男性・Cさんは、監査部門の管理職。工場勤務や経営企画、CSRなどを担当してきた。世間からは「安泰」と思われているほど大きな会社だが、Cさんは「このままでいいのか、とは思う」と漠然とした焦りを口にする。
「会社名を名乗ると、必ず『安泰だね』と言われるのですが、55歳で役職定年がきます。なんなら、40代からリストラ要員で、僕のところにも何度か退職者募集の案内がきました。募集に乗っかり、たっぷりお金をもらって転職していく人も多かったです。僕は自分に自信がないのと、転職にかかる労力が面倒そうなので、手を挙げませんでしたが……。
ただ、役職定年や定年で辞めていった先輩たちで、その後何もしない人のほうが珍しい。必ず次の職を探す姿を見ていると、今のうちに何か武器になるものを身に付けておいたほうがいいのは間違いないはず。その一方で、もうぬるま湯のまま逃げ切りたいという気持ちもあります」(Cさん)
今回話を聞いた“ぬるい職場”にいる人たちは、その居心地の良さを感じていながらも、どこか将来のキャリアやスキルについて、焦りや不安を感じている様子。「今はいいけど、このままで大丈夫だろうか?」という思いは、なかなか拭い去れないようだ。(了)