株の値上がり益を狙うのではなく、保有している間に配当収入を得られる「高配当株投資」が注目されている。配当株投資をする際に気をつけたいポイントは何か。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第33回は、「高配当株の注意点」について。
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株式投資で得られる利益には、安く買って高く売ったときの値上がり益と、特定の日に株主であればもらえる配当による利益の2種類あります。最近では、値上がり益を狙うよりも、配当目的で株式投資を始める人が多いようです。
高配当株投資が人気のわけ
配当金は、株を持っていれば自動的に入ってくるお金です。不動産でいえば、家賃収入にあたり、言わば“夢の不労所得”。配当金だけで生活ができれば、なんて素敵なんでしょう。当然、配当金が多いほどよいので、配当金がいくらもらえるか、というのは気になるところです。
ただし、いわゆる“高配当銘柄”と呼ばれるものは、配当金が多いのではなく、株価に対して利回りが高い銘柄のことを言います。これは“配当利回り”と呼ばれ「年間の配当金÷現在株価×100」で計算できます。たとえば年間の配当金が10円で株価が1000円なら、配当利回りは1%です。
日本株の平均的な配当利回りは2~3%ですので、4%以上あれば、高配当銘柄と呼んでいいでしょう。定期預金の金利0.002%程度と比べると、2000倍ですから、とっても魅力的です。
来年からスタートする「新NISA」では、投資期間が恒久化されますので、高配当銘柄を長期で保有し、その間の配当を非課税で受け取ることが可能です。そうしたこともあり、ますます高配当株投資への熱が高まっています。
また配当は、株の値上がり値下がりほど変動が大きくないため、比較的安定した収入源となります。多少株価が下がっても、配当目的であれば、それほど動揺しないで済むというのも、初心者の方々にも人気の理由のひとつです。