年初から順調に上昇していた日経平均株価は、米金融機関の破綻などのニュースに冷や水を浴びせられた。こうした外部環境の変化に加えて、3月は配当や株主優待の権利取りが意識されるだけに、しばらくは不安定な相場が続くかもしれない。優待を狙う場合はあまり割高な銘柄よりも、下値余地の小さい割安銘柄のほうが手がけやすいだろう。本記事では3月に権利を取得できる株主優待の中から、株価水準が割安な銘柄を紹介しよう(株価指標はいずれも3月中旬時点)。
KDDI(9433)
auブランドを展開する総合通信大手。金融やECなど事業領域を拡大している。株主にはカタログギフトの優待を贈っており、5年以上継続保有すると内容がランクアップするうえ、配当利回りも3%台と魅力的で、長期保有する個人投資家も多い。株価が1株当たり利益の何倍になっているかを示すPER(株価収益率)は13倍台と割安な水準だ。
【優待内容】「au PAY マーケット」商品カタログギフト……100株以上1000株未満:3000円相当、1000株以上:5000円相当(3月末、年1回、5年以上継続保有で100株以上は5000円分、1000株以上は1万円分に増額)
ベネッセホールディングス(9783)
子ども向け通信教育講座「進研ゼミ」や学習塾、有料老人ホームなどの介護施設も手がける。株主には自社グループ商品から選べるカタログギフトの優待を年2回贈っている。絵本や子供向けワーク、辞書などのほか、内祝サービスで提供するグルメやカタログギフトも選択できる。PERも17倍台と割高感はない。
【優待内容】自社グループ商品から選択……100株以上(3月末、9月末、年2回)
日本取引所グループ(8697)
東京証券取引所や大阪取引所などを傘下に置く国内唯一の総合取引所グループ。ライバル企業がいないだけに収益力は高く、業績は安定している。株主優待として贈られる1000円分のクオカードは、長く保有すると1年ごとに1000円ずつ上乗せされ、3年以上保有で4000円分まで増額される。PERも23倍台と割高感はないうえ配当利回りも3%台あり、長期保有も検討したい銘柄だ。
【優待内容】1000円相当のクオカード……100株以上(3月末、年1回、1年以上継続保有で2000円分、2年以上で3000円分、3年以上で4000円分に増額)