「ひと月3000円」──ちょっとした飲み会やランチ、手頃な洋服くらいなら、おつりが来ることもある金額だ。だが、お金のプロたちは、うまく使えば人生が大きく変わるきっかけになる金額でもあると、口々に話す。
『はじめての人のための3000円投資生活』などの著書がある家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。
「ひと月1万円や5000円だと、毎月やりくりするのはなかなかハードルが高い。だけど3000円なら、誰しも少し意識すれば捻出することができて、買い物でもレジャーでも、使える幅は意外と広いです。万が一ムダにしてしまっても、ひと月の予算の中の3000円なら、生活に大きな打撃を受けることも少ないでしょう」
元明治大学教授で行動経済学者の友野典男さんも声をそろえる。
「持っている金額と幸福度は、必ずしも比例するわけではありません。幸せに暮らしている人の共通点は、年収や資産にかかわらず、住んでいる土地での最低限の衣食住を調えられて、保険などで“安心”を買うことができ、時々“プチ贅沢”ができるだけの金額を持っていること。捻出しやすさと幸福度を天びんにかけたとき、ひと月3000円は“プチ贅沢”にちょうどいい金額なのです」
少しの予算オーバーは許容範囲
避けるべきなのは、明確な目的がないまま3000円を使い切ってしまうこと。
「コンビニでの“ついで買い”や月数百円のサブスクなど、一つひとつは少額でも“自由に使っていいから”“自分へのご褒美だから”と言い訳をしていると、あっという間に使い切ってしまう。もちろん、ギャンブルなどリスクの高いものは論外です」(横山さん)