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「相続した不要な土地を国に渡せる」画期的新制度がスタート “負動産と縁を切れる人”の条件とは

「相続した不要な土地を国に渡せる」新制度をどう活用するか(写真:イメージマート)

「相続した不要な土地を国に渡せる」新制度をどう活用するか(写真:イメージマート)

 4月27日にスタートした、“相続の新制度”が注目を集めている。相続した不要な土地を国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」だ。

 制度ができた背景には“所有者不明土地問題”がある。相続した人が登記しないなどの理由で、所有者が誰かわからない土地が大量に存在し、その合計面積は九州の広さを超えるとされる。公共事業の土地買収に時間がかかるなどの弊害が多いため、所有者が不明となる前に国が“いらない土地なら引き取りますよ”という制度を設けて解決に乗り出した格好だ。

『トラブルの芽を摘む相続対策』の著者で相続コンサルタントの吉澤諭氏はこう言う。

「たとえば、“東京23区内にある親の持ち家は相続したいけど、田舎にある親の山林はいらない”といった事情を抱える人は多い。これまでの制度では、不要な土地も含めてすべて相続するか、全く相続しないか(相続放棄)の二択で、ゼロか100かの世界でした。それが、必要な財産は相続し、不要な土地を放棄する選択肢ができたという意味では評価できる新制度だと思います」

 不動産を所有すれば維持管理費や固定資産税がかかる。相続後、使い途がないのに費用ばかりかさむ“負動産”に頭を悩ませる人の助けとなりそうだが、吉澤氏は「どこまで活用できるのかは不明です」と付け加えた。

 どういうことか。相続問題に詳しい税理士法人レディングの木下勇人代表税理士が言う。

「画期的な新制度ではありますが、引き取りが承認される条件が厳しく設定されています。『建物がある土地』など、承認を受けられない10の要件があるのです」

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