子供の学力には世帯収入が影響すると指摘されることも少なくない。収入の格差が教育格差を生む現実に、「家が貧しくて手札が限られた状況でも逆転勝利は可能です」というのは、近著『人生がクソゲーだと思ったら読む本』が話題のVTuber「犯罪学教室のかなえ先生」だ。元少年院教官という異色の経歴を持つかなえ先生が、実際の相談に回答する形で解説する。
【お悩み】学歴社会では才能よりも「親の資金力」が重要なの?
悩んでいるというか愚痴と質問です。高校受験を控えている中学3年生です。周りは受験モードだけど、自分は貧乏で塾に通えません。お金持ちの子は塾に通えるから、どんどん成績が離されて、焦りと同時にズルいと思うようになりました。お金持ちの人はどんどん賢くなって、お金を稼げるようになって、貧乏人にはなかなかチャンスが与えられない気がして不平等感を覚えます。先生はこの状況をどう考えていますか?
【回答】親の資力で受験の難易度が変わるのは仕方ない。でも、チャンスは残っている
いきなり救いのない結論になってしまい本当に申し訳ないのですが、「家がお金持ちの子どもはたくさん塾に行ける」一方で、「家にお金がない子どもは満足に塾に行けない」ことは、残念なことに避けられません。家庭の資力格差が子どもの学力の格差に直結する側面は、本当に理不尽に思えてしまいますよね。そういう意味ではアナタは、生まれる家を選べないという理不尽なゲームシステムの被害者と言えるでしょう。
そもそも、この社会が採用している資本主義というシステムに大きな欠陥があり、自由な競争によって社会をより発展させることができる反面、激しい競争の中で必ず「敗者」と「勝者」が生まれてしまうのです。
この「敗者」と「勝者」の経済格差が、一般に貧富の格差と呼ばれるものになるわけですが、アナタの言葉を借りると、お金持ち(勝者)には競争を勝ち抜くための選択肢(手段など)が多く用意されている一方で、貧しい人(敗者)は限られた選択肢しかありません。
ゲームでイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
無課金コツコツプレイだと攻略の難しいステージも、大量課金して強い装備を持っている状態だと、同じステージでも難易度が変わる現象が現実に発生している感じです。
さて、ここでアナタの相談に戻りましょう。
お金持ちのお友達は、たくさん塾に通うことができる。一方で、アナタはお金がなくて塾に行けない。非常にやるせない気持ちになるのはすっっっっっごく理解できます。しかし、これはあくまでも塾に行けるかどうかの話です。現状、家庭の事情があるならば、塾は諦めましょう。でも、合格を諦めるのは違いますよ!