橋下徹氏（左）の本音に元NHK解説委員でジャーナリストの岩田明子氏が迫る
次期衆院選に向けて自民党が一番脅威に感じているのが日本維新の会だろう。果たして維新は岸田政権をどこまで追い込むことができるのか。維新の創設者である橋下徹氏に、安倍政権時代から自民党と維新の関係性を取材してきた元NHK解説委員でジャーナリストの岩田明子氏が迫った。【全3回の第2回。第1回から読む】
岩田：ところで各紙の世論調査を見ると、維新が次の選挙で野党第一党に躍り出る可能性があります。毎日新聞（5月22日付）の調査では、野党第一党にふさわしいのは、立憲民主と答えた人が25％であるのに対し、維新は2倍近い47％となっています。
橋下：その調査は、自民党支持層にも聞いていますからね。自民支持層に維新か立憲かと聞いたら、そりゃ維新ですよ。だけど、実際の選挙になったら、その人たちは自民に入れます。政党支持率で見れば、維新と立憲でそんなに差はない。
岩田：確かにそうですね。
橋下：問題は、小選挙区という制度で維新と立憲が候補者を立てると、両者共倒れになり自民が漁夫の利を得ることです。だから、僕はかねてから野党の候補者だけで予備選をやり、野党候補者を一本化して、与党対野党の一騎打ちにすべきと主張しています。
僕は民主主義の根幹は“喧嘩”だと思っていて、アメリカ大統領選でも最後の喧嘩に勝つために、党内の予備選で殴り合って候補者を一人に絞り込むわけですよね。
岩田：しかし、仮に立憲の候補者が負けたときに、立憲支持者が維新候補者に投票するでしょうか。
橋下：松井さんや吉村（洋文）さんもそう言ってます。確かに、負けた候補者の支持者は応援してくれないけど、自民と野党の1対1の勝負に持ち込めば、無党派層を引き込めると思う。無党派層は30％くらいいて、自民支持層に匹敵するほどです。またとにかく自民党が嫌いで野党に投票している人もいる。
