レストランや居酒屋などを利用する際、店選びの目安として活用されるネットの「口コミ」情報。評価や書き込みの内容によって、店の印象は大きく変わる。客商売ゆえ、たとえ酷評されても店側が言い分を主張、反論できない事情もあるようだ。そうしたなか「理不尽なクレーム」に徹底抗戦、客に毒づく居酒屋店主が注目を集めている。
〈クソクレームには毅然とした態度で立ち向かう〉
〈客に怒鳴られたら怒鳴り返す〉
〈安い客を「様」で呼称しない〉
〈当店は上記の事項を導入後、売り上げが伸び、従業員の離職率も減りました。〉
自身のツイッターでそう豪語するのは、東京の下町、墨田区向島にある居酒屋『のみくい処かどや』の40代店主・「黒かどや」さん(@kadoya1)。複数の飲食店で修業の後、2004年、この地に店を構えた。
一見、どの街にもある普通の居酒屋だが、話題になっているのがネットの口コミサイトで繰り広げられる客との応酬。
〈店員の態度が悪すぎ。食い物も酒も不味くなる〉〈電話対応が酷かった〉――客がそう不満を漏らせば、〈お前の態度が悪いからだよ馬鹿〉〈場末酒場にどんな接客を求めてるんだよ〉と応戦。自身のツイッターでは、会計時に紙幣を畳んだまま出した客とのやり取りを挙げ、〈「自分で(札を)広げて」と伝えるとビックリする奴がいるけど、ビックリするのはこっちだよ〉と言い放つ。
ネット上のやり取りを見る限り、なかなかクセの強い店主のようだが、料理や価格についての口コミは〈とにかく安くて旨い。コスパ最強〉〈お酒の種類も豊富〉などなど相当な高評価。店主との応酬が繰り広げられる星1つのレビューもたくさんある一方で、味や雰囲気を褒める星5つの評価も多数あり、「常識をもった人間が行けば普通に良い店」といった声も少なくない。そこで店主を直撃し「客との舌戦」について本音を聞いた。