「金兵衛」の「銀だら西京漬け焼き弁当」（中央下が「しらたきの明太子和え」）
テレビ収録のロケ弁当などによく選ばれ、愛好する芸能人も多いことで知られる「魚屋さんのお弁当 金兵衛」。なかでも、お笑い芸人・かまいたちがYouTubeで「TV局楽屋で一番食べたい弁当」のひとつに選んだこともある人気商品が、金兵衛の「銀だら西京漬け焼き弁当」（1296円）だ。メインとなる銀だらの西京漬けはもちろんのこと、脇を固める副菜のクオリティも高い。中には主役を凌ぐほどの人気を博す副菜も。ところがある日、記者が弁当の蓋を開けてみると、ベストバイプレイヤーの呼び声高い副菜「しらたきの明太子和え」が入っていない。一体、何が――。
人気の副菜「しらたきの明太子和え」は、細めのしらたきに香ばしい明太子が和えられた逸品だ。程よい塩気とシャキネチっとしたしらたきの食感が口の中に広がる。いくらでも食べられそうだが、金兵衛の弁当ではおちょこサイズのアルミケースにひとつまみだけが供されている。
この金兵衛定番の人気レシピは、80歳を過ぎた女性従業員がたったひとりで作っているという話を聞いたことがあったが、何かがあったのだろうか。あるいは、明太子の原料となる冷凍スケコの価格が高騰したというニュースもあった。どういった理由で人気の副菜はこの日の弁当から姿を消したのだろうか。「魚屋さんのお弁当 金兵衛」の本社に連絡を取ってみた。
電話口に出た広報担当の田口美佳さんは開口一番、こう言った。
「ああ、そういう巡り合わせもあるんですよ。うちは1日に平均2000～2200個のお弁当を作っています。そのうちの8割くらいに、しらたきの明太子和えが入っているんですけど、残りの2割には、鶏肉とゴボウの千切りを煮合わせたものなど、別の副菜を入れています」
