新型コロナの法的な位置づけが「5類」に移行してから初めて迎える夏休み。主婦のSさん(仮名・61才)はお盆に家族旅行の計画をしているが、悩みは尽きない。
「旅行代金が補助される『全国旅行支援』を使おうと思ったのですが、すでに終わっている地域もあったし7月中には44都道府県で終了する見通しだと聞きました。最近は物価高なので安く旅行したいのですが……」
世の中が値上げ傾向にあるなか、Sさんのようにお得なプラン探しに頭を悩ませる人は多いだろう。そんな人は「シニア層向けのサービスを積極的に使うべき」とファイナンシャルプランナーで消費アドバイザーの丸山晴美さんは言う。
「現在、あらゆる割引が縮小傾向にありますが『シニア割』だけは別。施設側は平日などお客さんの少ないときにも利用が見込める、お金と時間のあるシニア層を呼び込みたい。お子さんやお孫さんとの家族利用ができる割引も充実しています」
利用者も企業側も得する“win-win”なシニア割には、どのようなものがあるのか。
空旅は当日予約で半額に
まず決めるべきは交通手段。なるべく安く抑えてホテルや食事、遊びにお金をかけたいところ。トラベルライターのSHIORIさんがおすすめするのはANAの「スマートシニア空割」だ。
「当日予約でしか利用できませんが、航空運賃が半額ほどで利用できる大変お得な割引です。同様のプランはJALなどにもあるので、比較してお得な方を予約しましょう」(SHIORIさん)
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは、鉄道旅なら50才から加入できる「大人の休日倶楽部ミドル」がお得だとすすめる。
「JR東日本とJR北海道の切符が何回でも5%割引されます。会員限定のツアーもあり、お得に旅行ができる。年会費は必要ですが、年に何回か旅行するなら充分に元が取れます。ほかにもJR各社にはそれぞれ独自のお得なシニア向け会員制度があります。訪れる地域のプランは一度確認しておきましょう」