最近のイーロン・マスク氏による改革を受けて、ツイッター(Twitter)ユーザーが大混乱している。「認証バッジを有料化」「末認証ユーザーは1日1000ツイートしか見られない」など、仕様変更が急速に進んだことで、ツイッターの創業者が設立したブルースカイ(Bluesky)や、インスタグラムを運営するメタが新たに作ったスレッズ(Threads)など、別のSNSへの移行を試みるユーザーも少なくないようだ。SNSの歴史を見続けてきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、今の「ツイッターから退避したい」現象について分析する。
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元々ツイッターについては、時々「こんなヘイトがまかり通るSNSは使わない!」といったクレームもあり、「逃亡宣言」をする人は多かったです。マストドン(Mastodon)などに移る向きもありましたが、皆さん結局ツイッターに残り続けたのかなぁ、と思っています。
そして今回、ツイッターの運営側がユーザーに対して様々な規制をかけようとしたことから、ツイッターを脱出しようとする人々が続出しているようです。
しかし、ツイッターがいかに荒れるSNSであろうとも、これって完全にネットの「いつもの風景」なんですよ。アーリーアダプターだけが使っている時は秩序が保たれていますが、ユーザーが増えれば増えるほど場は荒れていく。ここでは2006年にサービスを開始したツイッターにおける日本の2008~2009年あたりの空気感を振り返っていきます。
当時はいわゆる「ギーク」と呼ばれるIT関連に詳しい人々が集うコミュニティでした。ツイッターのプロフィールを見るといつからツイッターを開始したかが書かれていますが、2006年に始めた人は超古参。2009年ぐらいまでに始めた人がアーリーアダプターと言えましょう。