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「経済指標発表の前後15分は取引をしない」 FXプロトレーダーの投資手法をチャートで解説

相場が大きく動きやすい経済指標の発表は、多くのFXトレーダーが注目するイベント(写真:Getty Images)

相場が大きく動きやすい経済指標の発表は、多くのFXトレーダーが注目するイベント(写真:Getty Images)

 多くの投資家が注目する経済指標の発表だが、FXトレーダーのNOBU塾氏は、「経済指標前後に取引をしない」と述べている。いったいどういうことか。新刊『日利1%FX 鉄壁の不動心トレード』が話題のトレーダー・YouTuberのNOBU塾氏が、経済指標発表前後の投資手法について解説する。

指標発表直後に相場が動く2つの理由

 経済全体の流れ(マクロ経済)を理解し、為替相場へのお金の流れを把握するために、重要な経済指標の結果を確認し、その変化の兆しをつかむのは重要です。こうした目的とは別に、指標発表直後の大きな変動を狙った取引で利益をあげようとするトレーダーも多くいます。

 経済指標の結果によっては短時間で非常に大きな値動きをするので、うまくいけば大きな利益を狙えることは確かです。しかし、こうした指標の発表を機に、相場に新しい流れが生まれるかというと、実はそういう例はあまり多くはありません。

 というのは、重要な指標ほど事前に多くの市場参加者や専門家がその数字を予想するので、その予想数値が市場のコンセンサスとなって値動きに織り込まれていくからです。要するに、指標が発表される前からその予想数値がチャートに反映されており、実際に発表された数字がよほどのサプライズにならない限りは新しい流れは生まれないのです。

 だったらなぜ、指標発表直後に相場が大きく動くのかというと、2つの理由があると考えられます。

 ひとつは、特定の指標発表といっても実は複数の数字が発表されているからです。

 たとえば米商務省が発表する個人消費支出(PCE)価格指数は、米国の家計が消費した財やサービスを集計した指標で、食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数と同時に発表されます。

 いずれも米国の購買動向やインフレを測定する重要な指標であり、FRB(連邦準備制度理事会)が金融政策を決定するうえで重視しているため、市場参加者も高い注目を寄せています。PCE価格指数はドル高に向かいやすい内容だと一度は急騰しますが、コアPCE価格指数は逆だったために大きく反転するということもあります。相反する結果をどう解釈すべきかマーケットも迷って、右往左往することがあるのです。

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