夏といえば花火大会。今年は4年ぶりに各地で花火大会が復活し、賑わいが予想されているが、誰もが楽しみにしているかと思いきや、苦い思い出があるという人も少なくないようだ。花火大会のどこに“トラップ”が潜んでいるのか? リアルな声を聞いてみた。
Fさん(40代/男性)は人生初デートに花火大会を選び、心に深い傷を負った。
「大学生の時、それまで何度誘っても断られていた女の子を隅田川の花火大会に誘ったら、OKが出たんです。しかし、待ち合わせ場所を浅草駅の改札にしたのが大失敗。改札前は猛烈な混雑で、構内に立ち止まることは許されず、待ち合わせ場所から弾き出されてしまいました。
当時はまだ携帯電話がなく、待ち合わせ場所の変更は不可能です。彼女に会いたい一心だった私は、隣駅の田原町駅まで歩き、改めて電車に乗って浅草駅の改札を通ることを7~8回繰り返しましたが、彼女には会えずじまい。デートをすっぽかした形になった私は、もちろんフラれました。それ以来、二度と浅草には行っていませんし、花火大会にも行っていません」(Fさん)
Tさん(40代/男性)も花火大会がきっかけでフラれた経験の持ち主だ。
「大学時代、付き合い始めたばかりの彼女と地元の花火大会に行きました。彼女の家は厳しく、門限は22時でしたが、花火大会が終わったらすぐに帰れば十分に間に合う計算でした。しかしこれが甘かったんです。
花火大会は想像を超えた混雑ぶりで、普段なら徒歩数分の最寄り駅まで30分以上掛かり、電車に乗るのにさらに1時間掛かり、彼女が家に着いたのは23時過ぎ。彼女を送って行った私は、玄関で待っていた父親に思い切り睨まれ、その後、電話をしても彼女には繋いでもらえなくなりました」(Tさん)
当時はまだ「家電(=家の電話)」を使っていた時代。相手の親に嫌われてしまうことは、なんとしても避けたかったことだろう。
一方、Nさん(30代/男性)は携帯電話で痛い目に遭った。
「コロナ前、友人と花火大会に行って盛大に飲んで、スマホを失くしました。見ていた場所は土手でしたが、花火が終わると真っ暗な上、人も多すぎて、落としたことに気付いても探しようがないんです。大会本部に行ったら、落とし物はすべて警察に回されており、『携帯電話は一杯あったから、きっと届いてるよ』と言われましたが、私のは届いていませんでした。具体的な台数は教えてもらえませんでしたが、相当な数のスマホが届いたそうです」(Nさん)
少々レアな理由で花火大会が嫌いなのはAさん(40代/男性)だ。
「昔、実家で犬を飼っていましたが、普段は大人しいのに、花火大会の時はむちゃくちゃ吠えるんです。その印象が脳裏にこびり付いていて、花火大会というとウンザリするというか、悲しくなるというか……。花火というと“イヤだな”というイメージです」(Aさん)