2020年には日本の自動車販売比率の1%前後だったBEV(バッテリーEV)の販売スピードが加速している。2023年5月時点の販売比率は3%台を大きく超えたという。自動車ライター・佐藤篤司氏による連載「快適クルマ生活 乗ってみた、使ってみた」。佐藤氏が「日産アリア」と「ホンダe」の 2台の国産BEVに乗り、長距離ドライブでの使い心地をチェックする。レポート第1弾は「日産アリアB6」での広島行きだ。
急速充電で頼りになる日産ディーラー
「広島」への取材が入り、すぐに思い付いたのは「せっかくのロングドライブの機会、クルマで行こう!」ということ。仕事柄でしょうか、本州エリアであれば、ほぼ間違いなくクルマ移動を選択することが多く、早速プランを考えました。
広島までは東京から片道約850km、現地での取材行程を含めれば、往復で約2000kmを走ります。通常なら飛行機か新幹線を選択するところですが、一方でクルマの素顔を知るには、こんな機会を利用しない手はありません。実生活に近い自宅周辺のちょい乗りチェックも大切ですが、普段、あまり経験することのないロングドライブでは、別の素顔が見えたりするものです。
当然、「今回はどんな車で走ろうか……」と色々な選択肢が思い浮かびます。そこで選択したのはBEVの「日産アリア」です。これまでも週末でのドライブ、新潟ぐらいまでなら何度となく使用していました。しかし片道1000キロになろうかというロングドライブで、BEVでの「一気走行」は、ほぼ未体験でした。ロングドライブでのプロパイロット2.0の使い勝手、そしてBEVとしての使い勝手を体験する取材旅に出かけました。