“昭和レトロ”や“平成レトロ”がブームになっている昨今、昔ながらの喫茶店が人気となっている。趣のある雰囲気が“エモい”という言葉で表現され、クリームソーダやパフェの写真をSNSに投稿する若い女性客が増えているのだ。しかし、古くから喫茶店に通っていた利用客たちのなかには、ブームとなっている現状に困惑する人も一部いるという。
東京都に住む自営業のAさん(50代男性)は、地元の喫茶店が繁盛しすぎて困惑している。
「よく利用していた昔名ながらの喫茶店が、2年前くらいからお客さんが増え始めたんです。それまでガラガラなことも多く、そろそろ潰れるのではと心配していたので、最初は“よかったなあ”なんて思っていました。それが最近は混んでいて、店員さんも忙しそう。あまり“ゆっくりする”という感じではなくなってしまい、足が遠のいています」
最近は、“90分制”や“2時間制”という形で利用時間を制限するケースも珍しくない。
「お客さんが次々と入れ替わっているのを見ていると、やはりくつろぐという感じではなくなります。客側の勝手な理屈ですが、喫茶店は適度に空いている方がいいですね(笑)」(Aさん)