単元未満の1株単位から投資できるのが通称「ミニ株」という仕組みだ。ネット証券会社が売買手数料無料化をしたことで、以前よりも使いやすくなったという。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第59回は、「“ミニ株”投資」について。
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通常株式は、単元株=100株単位での売買に統一されています。つまり100株、200株、300株……と買っていくわけです。それに対してミニ株は、単元未満株のことで、証券会社各社で取り決めている1株単位から投資できるしくみです。ここ数年、ミニ株投資への注目度が急激に高まっています。
急増するミニ株取引
東京証券取引所が8月17日に公表した2022年度の株式分布状況調査・資料編によると、2019年度のミニ株の株主数は延べ561万7258人、2022年度は1050万6638人と、3年間で87%も増えています。アメリカでは1株単位で売買できますので、その感覚でミニ株を利用する人が増えているのかもしれません。とくに20~30代での利用が多いようです。
ただし、ミニ株投資は、どこでもできるわけではありません。売買できる証券会社は限られており、またサービス名称も異なります。
ミニ株ができる証券会社比較
手数料だけで見れば、売買手数料が完全に無料のSBI証券が有利です。楽天証券は、売買手数料は無料ですが、スプレッドがかかります。たとえば1株5000円の株を買う場合、11円のスプレッドが上乗せされます。ただ楽天証券は、ほかの証券会社ではできないリアルタイム取引が可能です。リアルタイム取引を導入してから毎日1万人以上の個人投資家が、株価を見て買ったり売ったりしているとのこと。機敏に売買したい人にとっては魅力的ですね。