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「医師の働き方改革」が患者に及ぼす負の影響 「危ない医者と病院」を見分けるチェックポイント

自分で信頼できる医師を見極めることが大切(写真/AFLO)

自分で信頼できる医師を見極めることが大切(写真/AFLO)

 何歳になっても元気でいるためには、患者一人ひとりが賢くなり、本当に信頼できる医師を見極めることが重要だ。

 来春、「医師の働き方改革」が導入される。時間外・休日労働は原則として大学病院などの勤務医が年960時間、地域医療に貢献する病院などは特例として年1860時間が上限となる。連続勤務は28時間までで、終業時から次の勤務まで最低9時間空けることが求められる。

 背景にあるのは医師の長時間労働だ。厚労省の2019年の調査によると、勤務医の4割近くが年960時間、約1割が1860時間を超える時間外・休日労働を強いられていた。

 昨年5月には兵庫県神戸市の甲南医療センターに勤務する26歳の男性医師が過労自殺。西宮労働基準監督署は今年6月、長時間労働による精神疾患の発症が原因として労災認定した。この医師の死亡前1か月の残業時間はおよそ207時間に達していたという。

「昼メシ抜き」でオペ

 過酷な医療現場の実態について、大阪で働く20代の勤務医が明かす。

「朝9時からオペがある日は7時半に出勤して昼ご飯抜きでぶっ通しで働き、終了するのがだいたい夕方4時。そのまま当直勤務に入ることもあります。早朝に開催される勉強会や患者の処遇を確認するカンファレンスは“自己研鑽扱い”になって労働時間に含まれないこともある。仕事に誇りはありますが、体力的にはかなりつらいです」

 医師の待遇改善が求められる一方、悩ましい問題も浮上している。

 今年8月、心疾患の患者にカテーテル治療を行なう医師らでつくる「日本心血管インターベンション治療学会」は、医師不足の地域で勤務時間を制限した場合、「患者の死亡率が上がる恐れがある」との見解を表明し、医師の働き方改革への懸念を示した。

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