牛丼チェーンの吉野家は10月2日より一部商品の価格を改定した。『牛丼並盛』は税抜価格408円から18円値上げの税抜価格426円となり、店内飲食の税込価格(消費税10%)は448円から20円値上げして468円に、テイクアウトの税込価格は440円から20円値上げで460円となった。
牛丼のほか、『牛カルビ丼』と『豚丼』の並盛以上と定食メニューについても、税抜価格で18円の値上げ、税込価格で20円の値上げ。さらに牛丼、牛カルビ丼、豚丼の小盛は、税抜価格で8円の値上げ、店内飲食の税込価格で9円の値上げ、テイクアウトの税込価格で8円の値上げだ。
同社は、値上げの背景を〈昨今の原材料価格高騰や物流費、人件費の上昇の影響を受け、自社努力だけでは現在の価格を維持することが困難な状況〉と説明。〈現在の品質を維持しながら安定して商品の提供を続けていくため〉としている。
一気に20円の値上げとなった吉野家の牛丼並盛。ライバルである松屋の『牛めし』並盛とすき家の『牛丼』並盛がいずれも400円であることを考えると、吉野家の牛丼並盛の店内468円、テイクアウト460円という価格は目立ってくる。
外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「吉野家のキャッチコピーといえば“うまい、安い、早い”ですが、同じ“牛丼並盛”で競合他社より60円以上高いとなると、もはや“安さ”では吉野家は松屋とすき家に太刀打ちできない状況。もちろん使用している牛肉や接客の違いもあり、一概に比較できませんが、消費者目線から言えば、リーズナブルさにおいてライバルと差がついてしまったのは事実でしょう。
ちなみに、セブン-イレブンで販売されている『肉の旨み味わう 牛めし』は税込価格で496円。吉野家の牛丼並盛の価格は、松屋やすき家の牛丼よりもセブン-イレブンの牛丼に近い。比較対象としては、こちらのほうが適切なのかもしれません」
そこで吉野家の牛丼並盛と、セブン-イレブンの『肉の旨み味わう 牛めし』について、マネーポストWEBの庶民派グルメ担当記者Aが実食比較した。