岸田文雄・首相と財務省の悪辣な“増税”により集められた私たちの血税は、一体どこに消えたのか。徹底取材を進めると、新型コロナの感染拡大という「国難」を口実に、本来の用途とは程遠い“散財”がなされていた。【前後編の前編。後編を読む】
夜の街の賑わいを創出?
上越新幹線の燕三条駅でJR弥彦線に乗り換え、終点の弥彦駅を降りてすぐにあるのが、新潟県の「紅葉の名所」として知られる弥彦公園だ。
約4万坪(東京ドーム3個分)の敷地には、朱色の欄干を持つ観月橋やもみじ谷、遊歩道には風情あるトンネルもある。春は1000本の桜並木が美しい。
本誌・週刊ポスト記者が訪れたのはもみじが色づき始めたばかりで、紅葉の見頃には少し早かった。広い公園に観光客はわずかだ。
「夜は全体がライトアップされて美しいですよ」
県内から来たという2人組の女性が教えてくれた。よく見ると、園内は照明機器だらけだ。
弥彦村(人口約7350人)が国の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」(以下、コロナ交付金)の約1246万円を使ってLEDライトを整備したのである。
内閣府が自治体からの報告をまとめた「事業の概要」には目的がこう書かれている。
〈光の強いLED電球を常設することによりライトアップを強化し、新型コロナウイルス感染症下においても、三密を回避した屋外観光を促しながら、夜の観光スポットを設けることで宿泊者増加を図る〉(以下、〈〉内は自治体が内閣府に提出した「事業の概要」)
三密になるほど夜の客が多いのだろうか。ここの常連という家族連れの女性に聞いた。
「紅葉の見頃には客が増えますよ。夜に来たことはありませんが、イルミネーションが綺麗だと聞いています。でも変な理屈。ライトアップされて綺麗なところには、『あっちが綺麗だ』とみんなが集まって逆に密になるんじゃないですか」
そう言って笑った。