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【検証・18兆円コロナ交付金】知事の外遊、公用車購入、小学校の雨漏り工事のどこが「コロナ対策」なのか? 「国が認めた」と開き直る自治体も

「コロナ交付金」はどのように使われているのか?(写真:イメージマート)

「コロナ交付金」はどのように使われているのか?(写真:イメージマート)

 岸田文雄・首相と財務省の悪辣な“増税”により集められた私たちの血税は、一体どこに消えたのか。徹底取材を進めると、新型コロナの感染拡大という「国難」を口実に、本来の用途とは程遠い“散財”がなされていた。【前後編の前編。前編から読む

 政府がコロナ対策としてスタートさせたコロナ交付金は、その後、「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」など経済対策のたびに予算が積み増され、今年度までの4年間で総額18兆3260億円に膨れあがった。もちろん、全部税金だ。本誌・週刊ポストが内閣府の資料をもとに交付金がどんな事業に使われているかを調査したところ、全国で「コロナ対策」にはほど遠い事業に流用されていることがわかった。

4人は「密」? 「少人数」?

 知事の外遊の財源にもされている。岩手県は、コロナ禍やアフターコロナにおける“岩手県産品の輸出拡大”を名目に、達増拓也・知事が2023年12月にマレーシアとシンガポールを訪問予定で、旅費(約642万円)や物産展「いわてフェア」の費用など総額約2800万円がコロナ交付金から賄われている。

「内閣府のコロナ交付金の活用事例集を見ると、コロナ感染した地域の経済、地域住民の支援のために交付金を使えると説明されており、それに従った財源としております」(財政課)

 と説明するが、マレーシアでの「いわてフェア」は2007年から毎年行なわれており、達増知事はコロナ前からシンガポールにもシティセールスに出向いていた。「アフターコロナ」のために新規に始めた事業ではない。

 別掲のリストは本誌が調査したコロナ交付金流用事例の一部だが、自治体の言い分を聞くと、コロナ交付金を使う理由には疑問ばかりだ。

 山口県阿武町は「1台あたりの乗車人数を減らして職員の三密を回避するため」(総務課)とマツダの公用車を新規購入し、中国山地を挟んで反対に位置する山口県和木町は「公用車に同乗する職員の密を避けるため」(企画総務課)と電動自転車を3台購入している。

 国が基準を示さないから「三密」の判断も自治体で違う。

 公園内に定員4人バンガローや温室を建設した島根県邑南町は「少人数でコロナに配慮した活動が可能となる」(財務課)と説明し、鳥獣被害監視用の自動撮影カメラを購入した富山県朝日町は、「これまで防護柵を4人の監視員で回っていたが、密になるのを避けるためカメラを導入した」(農林水産課)と答えた。ある自治体は4人が「少人数」と言い、別の自治体は4人が「密」と言うのである。

 コロナにこじつければ使途は何でもありの流用し放題なのだから、財政が厳しい自治体にとっては、“お上(国)からお金が降ってきた”ようなものなのだろう。

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