何かと面倒ごとが多く、費用面でも不透明な部分がある「墓じまい」。近年では料金が明示された「代行サービス」も登場している。葬儀については「イオンのお葬式」「小さなお葬式」など、安価で明瞭な料金体系で全国展開するサービスが増えてきたが、墓じまいにも同様の状況が生まれつつあるのだ。
イオンのお葬式を展開するイオンライフでは、墓じまいに関して「2平方メートル未満 21.78万円~」「2平方メートル以上3平方メートル未満 26.18万円~」といった具合に墓地のサイズに応じた税込み価格を明示する。同社の広報担当者はこう説明する。
「料金には、【1】行政手続き代行(提出代行)、【2】お骨の取り出し、【3】墓石の解体・処分、【4】墓地を更地に戻す、【5】お骨の受け渡し、までが含まれます。墓地のサイズや立地によって費用は変わり、写真ないし現地を確認して見積書をお送りした後に、正式契約となります」
提示される料金の末尾の「~」が気になるところだが、前出の担当者は「現地を見ないと具体的な金額が算出できず、状況により追加費用が発生する可能性があることから、『~』がついています」と説明する。基本的には全国統一料金だが、離島や一部の寒冷地、工事に際して機材の搬入が著しく困難な場合などは別途費用がかかる。工事は同社の設定した基準をクリアした地元の墓石職人が行なうという。
正式契約後は行政手続き代行からスタートする。書類は利用者が記入し、行政側への不明点の確認は代行してもらえる。魂抜き(閉眼供養)をする寺院の手配などは原則として利用者が行なうが、別途料金を支払えば「寺院の紹介、新たな納骨先や海洋散骨等のサービスの紹介も可能」(同前)だという。
ただし、寺院墓地からの移設となる場合、寺院側に墓じまいの意向を伝えることや、「離檀交渉」はサービスの対象外。利用者自身が行なわなくてはならない。
こうしたパッケージがこれまでの一般的な代行サービスの内容だったが、離檀料トラブルが相次いでいる実態もある。そうしたなか、「離檀代行のオプション」を設定する業者も登場している。