かつては年末の風物詩だった営業担当者のカレンダー配りだが、最近はそうした姿を見かけることもめっきり少なくなった。スマホ時代にカレンダーは不要という向きもあるだろうが、「タダでもらえるから良かったのに……」と“カレンダー不在”を嘆く人たちもいる。
商社勤務の50代男性・Aさんは、こう振り返る。
「丸めた壁掛けカレンダーをいっぱいに入れた紙袋を持って歩く会社員を見ると年末を感じたものです。カレンダーを配るという名目のもと営業活動もできるので、得意先に顔を出すよい理由になっていたんでしょう。ただ10年ほど前から、そうした姿はだんだん見かける機会が減っていきましたね」
Aさんの会社に届けられるカレンダーも、徐々に減り出したという。
「ひと昔前はカレンダーだけでなく、金字で会社名が入った手帳や社名入りのタオルなんかも山積みになっていたものです。社名入りカレンダーをもらうことがゼロになったわけではありませんが、お金をかけたカレンダーは減っている印象ですね。
妻が長年好きだった企業カレンダーがあったのですが、それも数年前から制作中止に。『あの大手メーカーの写真がきれいで好きだったのに……』と嘆いています」(Aさん)
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