書類のプリントアウトはもちろん、コピー、スキャンなど1台で何役もこなせる家庭用プリンター。コロナ禍になって以降、在宅勤務やオンライン講義など、利用するシーンが増えた人も少なくないだろう。家でプリントできる手軽さは大きなメリットだが、実際に利用してみると、想定外のトラブルに見舞われることも少なくないようだ。ユーザーたちの声からは、家庭用プリンターを使いこなす難しさも垣間見えてきた──。
黒インクには残量に余裕があったのに…
「これまで2台プリンターを買いました。今も持っていますが、印刷目的では使っていません。もちろん家で印刷できれば便利ですけど、維持費がバカにならないような気がして」
そう明かすのはメーカーに勤務にする40代男性・Aさんだ。1台目ではモノクロやカラープリントを満遍なく使用していたが、思わぬ事態に直面することになった。
「当時は資料のほか、自分でデザインした副業用の名刺、年賀状などをプリント・コピーしていました。ある時、カラーの1色が足りなくなり、そろそろインクを買い足さないとなーと思ってはいたものの、まだ黒インクは残量に余裕があったので、モノクロは印刷できるだろうと高を括っていたら、1色でも足りないとモノクロも印刷ができない仕様でした。よく調べてから買うべきでした」(Aさん)
その後、紙詰まりが頻繁に起こるようになったため、新しいプリンターに買い替えることにしたAさん。同時にプリンターの使い方も見直した。カラーコピーが必要な時はコンビニに行くか業者に依頼することにし、自宅では基本的にモノクロでしか使わないことを決意。だが、ここでも誤算が生じた。
「前回の失敗を踏まえて買った新しいプリンターは、黒インクだけでも印刷できるもの。最初は満足していましたが、コロナ禍になってから、それまで紙で郵送していた請求書も全部データでいいことになりました。そういうこともあって、プリンターを使わない日が多くなると、中でインクが乾いてしまい、使えなくなる事態が発生したんです。お客様センターに問い合わせ、ヘッドクリーニングなどをして復活はしたのですが、プリンターは定期的に使わないとインクが固まり、ノズルが詰まるとのこと。
それ以降も、プリントアウトしなさすぎて、プリンター機能が使えなくなるとヘッドクリーニングを行う、ということを繰り返す羽目になりました。ちなみにヘッドクリーニングの際にはインクをたくさん消費するようで、プリントアウトする回数は少ないのに、ムダなインクを使っていることを考えると、コスパが悪いような気がしてきたんです。
プリンターとして使う頻度が減ってきたこともあり、いちいちヘッドクリーニングするのも面倒くさいしで、必要な時はコンビニの複合機で済ますようになりました。今、家にあるプリンターはスキャナー機能だけ使っています」(Aさん)