今年7月、修理依頼で持ち込まれた車両を故意に傷をつけるなどして、損害保険会社に水増し請求をしていた問題が発覚した中古車販売大手ビッグモーター。11月30日には、関東財務局から損害保険代理店としての登録取り消し処分を受け、年の瀬を迎えても苦境は続いているようだ。
7月、急遽行われた記者会見では一連の不正行為について「知らぬ存ぜぬ」を貫き、社長から退任することとなった兼重宏行・前社長。売上高5200億円(2022年9月期)の大企業を一代で築き上げた創業者は、いまどうしているのだろうか。ビッグモーター関係者が、声を潜めてこう話す。
「ゴルフ好きが話題になっていた兼重会長ですが、あの名門の『小金井カントリークラブ』を退会したそうです。息子の兼重宏一・前副社長とのゴルフコンペ写真も話題になりましたが、ビッグモーターの幹部は各地でゴルフ三昧でした。会見で車体を故意に傷つける被害を語る時も『ゴルフを愛する人に対する冒涜』と発言してしまうほど好きだったんですが……」
1937年開場の古い歴史を持つ小金井カントリー倶楽部は、田中角栄・元総理大臣が愛した名門クラブとして知られる。株主会員制での運営で、会員権は男性の個人会員のみに制限されるなど、厳しい会員審査があることでも有名だ。ゴルフクラブ関係者が語る。
「メンバーになるためには経済力だけでなく、経歴や紳士的であるかということ、マナーなど厳しい審査がある。またメンバーになるためには紹介者が必要で、審査に通らず、会員になれなかった有名経営者も数多くいます。
ビッグモーターがゴルフボールを使って車体に故意に傷をつけていたことが報じられ、兼重さんが会見であの発言を口走った際には、『兼重さんのほうがゴルフを愛する人に対する冒涜でしょう』と話題になりました。名門クラブだけにメンバーたちからも苦情があったのか、一連の報道が過熱した後に退会されたようです。紹介者の顔に泥を塗ったということもありますし、気の毒ではありますが、仕方ない処置でしょう」