一人暮らしなのに食器をペアで揃えてしまう、自分しか食べないのにケーキを2個買ってしまう――。買い物の仕方は人それぞれだが、一人で使うのに何かと複数個揃えてしまう人たちがいる。なぜ必要以上のものを買うのか? 彼ら/彼女たちの声を聞いてみると、単なる“無駄使い”とは言い切れない、それぞれの事情があるようだ。
「一人で使う」と思われるのが恥ずかしい
IT企業勤務の20代女性・Aさんは、一人暮らし歴が長いが、「一人で食べたり使ったりすると思われたくない」という。
「お惣菜や食器、カトラリー類なんかを買う時は、“誰か”がいるようなテイで複数個、あるいはペアで購入してしまうクセがあります。“この人は一人暮らしなんだな”とか、“一人で使うんだな”とか思われるのが恥ずかしいというか……。
食器やカトラリーについては、“いつか誰かと使うかも”という妄想で、ついついペアで揃えてしまっています。マグもフォークやスプーンも、ランチョンマットもすべてペア。今のところ使う日はまだきていませんが、完全に見栄ですよね(笑)」
そんなAさんだが、「1個買いの最難関」だというのは「ケーキ」だ。
「ケーキ屋さんでカットケーキを1個だけがなかなか買えません。まるで誰かへの手土産のようなフリをして、3個か4個ぐらい買ってしまいます。結局、一人で全部食べるからいいんですけど……」(Aさん)
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