2022年、アメリカのZ世代の間で爆発的な人気を博し、2023年には日本のZ世代にも浸透したSNS「BeReal(ビーリアル)」。1日の不定期なタイミングで通知が届いてから「2分」という制限時間内に無加工のリアル画像を投稿する、という画像共有アプリだ。制限時間のうちに画像を投稿することができれば、同日にさらに2回、好きな時刻に画像をシェアすることができる。
BeRealと他のSNSの最大の違いは、なんといっても「リアル」を共有するという点。アプリを起動して写真を撮影すると、通常の外向けのカメラだけでなく、撮影している自分(インカメラの写真)がともにコラージュされる。ようするに“盛れない”写真が友人同士で共有されるのだ。
また友人の投稿を閲覧するためには自分が投稿をしなければならず、つねにスマホを手元において通知に即反応する緊張感、ゲーム性も人気の要因となっているようだ。お風呂のなか、電車、授業中、トイレ、バイト先……。どこにいても自分のプライベートな姿を晒すことになる。
「盛る=よく見せる」ことを全面に押し出し、SNS疲れを誘発してきた近年のSNSに対抗するかのように、「盛らない」ことで人気化しているBeRealだが、一方で「2分間縛り」によって新たな問題も起きているようだ。
教授が「授業中に撮影しないように!」
大学の授業中に写真撮影する学生が目立つようになったと語るのは、都内の大学に通う女子学生・Aさん(20歳)だ。
「去年から周りの友達のあいだでBeRealが流行り始めました。周りが始めるようになると、じゃあ自分もやろうという感じでサークルやゼミのメンバーの間で浸透した感じですね。ただ授業中にBeRealを撮影する人が出てきたことはちょっと問題だと思う。“授業中にBeRealを撮影している友人の動画”をコンテンツとして、TikTokにアップする人たちもいます。
私の大学でも、ゼミの最中に友人が『やばい通知きた! はい、みんな写って写って!』といって私の顔を写してきたこともあります。また400人規模の大教室の講義中に、パシャパシャと撮影している学生もいました。教授が『授業中に撮影しないように』と言っても、クスクス笑っていて不快でしたね。盛れないリアルを共有したいというよりも、そのスリルを楽しんでいる若者が多いんじゃないでしょうか」(Aさん)