マネー

【親の介護と相続】親族とのトラブル回避のためには「お金の出入りをすべて記録する」ことが不可欠

介護で「何にいくら使ったのか」を細かく記録する必要がある(イメージ)

介護で「何にいくら使ったのか」を細かく記録する必要がある(イメージ)

 遺産相続を巡って「子供のうち誰か1人が介護を担っていた」というケースは家族内で揉めごとになりやすい。

 親の介護をしていた子やその配偶者が、他の相続人(兄弟姉妹)から親の財産の使い込みを疑われる場合がある。『トラブルの芽を摘む相続対策』などの著書がある吉澤諭氏(吉澤相続事務所代表)が言う。

「同居する子が要介護の親から通帳や印鑑、キャッシュカードを預かり、そこから介護費用を支払っているような場合は疑われやすい。たとえば、父親が亡くなった後、母親の所持金2000万円を長女が管理して介護をしていたが、数年後に母親も亡くなった時に残高が500万円しかなく、『たった数年で1500万円も使うはずはない。長女が私腹を肥やしたのではないか』と疑いをかけられる、といった話はよくあります」

 こうした諍いを回避するには、基本的に「お金の出入りをすべて記録する」ことが不可欠だ。吉澤氏が続ける。

「他の相続人から『自分の財布に入れたのではないか』『遊興費に使ったのではないか』と言われないために、親の財産を私的に流用していないことを自身で確認し、確実に証拠を残しておく必要があります。

 私が相談を受ける際は、何にいくら使ったのか、レシートを貼りつけて『介護ノート』をつけるようにアドバイスしています。レシートがない場合もメモを残したり、通帳からお金を引き出す時もその用途を記録しておくべきです」

 使い込みと指摘されないような備えが必要なのは当然で、きちんとした記録が残っていればある程度の対応は可能だ。

次のページ:持ち出しで介護をする場合には「情報の事前共有」が大切

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。