日本政府観光局によると、2023年の訪日外国人観光客数は3188万人を記録した2019年以来4年ぶりに2500万人を突破した。日本に観光にやって来る外国人なら、やはり「日本食」を楽しみたいと思うもの。そんな外国人観光客が押し寄せる店の一つになっているのが、和定食チェーン「炭火焼干物定食 しんぱち食堂(以下、しんぱち食堂)」だ。特に繁華街の店舗では、多くの外国人観光客を目にする。いったいどんな魅力があるのか、常連客たちの声から探った。
「外国人の行列ができて、入れなかった」
メーカー勤務の30代男性・Aさんは、しんぱち食堂の大ファン。「家では作るのが面倒な“焼き魚”を手ごろな価格で食べられるのがいい」と話す。
「焼き魚って、家でやるとにおいがつくし、コンロも洗わなきゃいけないし、何かと面倒なイメージがあるんですよね。しんぱち食堂には焼き魚だけじゃなくて、豚生姜焼き定食のような肉メニューもあるんですけど、どうしても焼き魚を頼んでしまいます。
定食メニューはメインとご飯、味噌汁というシンプルな内容で、納豆や生玉子、冷奴といったサイドメニューも豊富(各税込55円)。焼き魚だけでも20種類ほどあって、僕は『サーモンハラス干し定食』(税込979円)がお気に入りで、週1~2回で通って毎回それを食べています。しかも、定食を注文すると生ビールが税込165円と安い。まんまと頼んじゃいますね」
すっかり常連のAさんは、昨年あたりから外国人観光客が増えたことを実感するという。
「寿司やラーメンばかりが注目されがちですが、むしろそれらは毎日食べませんからね。日本人が日常的に食べているものといえば、やっぱりご飯に味噌汁。しんぱち食堂の店内は、江戸時代のめし屋をイメージしたそうで、そうした内装も外国人受けしているのではないでしょうか」(Aさん)