電車や映画館、飲食店、駐車場などにおいて、空席が多数あるにもかかわらず、自身のすぐ隣にくる人のことをネット上では「トナラー」と呼ぶことがある。人は誰しも「パーソナルスペース」なるものを持っていて、そこを他人に侵犯されると不快感を催すもの。しかし、パーソナルスペースに関する感覚は人それぞれで、なかにはそれが希薄な人もいて、そういった人が「トナラー」になる可能性が高いと言われている。
露骨にならないようにトナラーに対応
もちろん、他意があって「トナラー」になっているわけではないというケースも多いだろう。とはいえ、例えばなるべく両脇が空いている状態が好きな人にとって、わざわざ隣にトナラーが現れたら、気分は複雑だ。そういった場合、世の人々はどのような対応をしているのか。
神奈川県に住む会社員のAさん(30代女性)は、過去に何度か電車の中でトナラーに出くわした経験を振り返る。
「私の家の最寄り駅は、都内と神奈川県内をつなぐ私鉄の終点。最寄りに近づくにつれてだんだん車内が空いていくわけですが、そういったときにトナラーがやってくることがあります」(Aさん)
Aさんは、トナラーがやってきた際には、できる限り露骨な態度を取らないようにしているという。
「ガラガラなのに、どういった理由で私の隣に座ってくるのかが怖いです。もしかしたら痴漢なんじゃないかと勘ぐってしまうし……。疑うのはイヤだけど、そのまま隣にいられるのも嫌。できるだけさり気なくその場を去るようにしています」(Aさん)
トナラーがきたら、少し時間をおいて席から立つというAさん。
「すぐに立つのではなく、スマホを見ながら少しだけ我慢。その後、視線はスマホから離さず、別の車両に移動します。スマホでも見ていないと、目のやり場に困りそうなので……。自意識過剰に思われるのも嫌なので、とにかくトナラーの視界から消えるようにします」(Aさん)