さまざまな理由で若い頃に勉強ができなかった、無理矢理やらされる勉強はつまらなかった──そんな後悔を心の片隅に持ち続けていた人が、中高年になり、時間や経済的な余裕ができたタイミングで、“学び直し”をするケースが増えているという。いま大学には、若者だけでなく、さまざまな世代の人の姿も見られるようになり、通いやすくなってもいるようだ。実際に学び直しを実践している歌手の相川七瀬(49)に話を聞いた。
思春期の長男と受験勉強に挑戦
「ママ、大学に通うって甘くないよ。体育もあるんだよ。その年齢でできるの?」
歌手の相川が大学受験を考えていることを夫や子供たち(当時17才、11才、6才の3人)に話したときに返ってきた言葉だ。
高校を2年で中退して芸能界に入った相川は2018年に、かねて欲しかった資格「高等学校卒業程度認定試験」に合格していた。子供たちはそのとき、母親が仕事をしつつも必死に勉強する姿を見ている。しかし、自宅で勉強して資格を取るのと、家を空けて“大学に通う”のはまた別のこと。“いまさらそこまでしなくても……”というわけだ。
「高卒認定試験は長男と一緒に勉強する、という一面もあったせいか、家族からも受け入れられました。当時の長男は反抗期。“勉強しなさい”と私が言っても、“受験勉強もしたことないくせに”と返される。
それで、私も受験すれば息子の苦労も理解できるし、私自身の願いも叶うし、一石二鳥だと気づいたんです」(相川・以下同)